アナーキズムと雪の女王
アナと雪の女王を見て、正直なんら面白いとは思わなかった。
私が重視する思想的に特筆すべきことは何も感じなかったからだ。
歌はすばらしかったと思う。吹き替えの音楽も素直に良かった。
しかし思想はどうってことはない。こういう設定の解説もまぁそうかという感じ。
映画そのものではなく「『アナと雪の女王』にかかったジェンダー観の砂糖衣」このジェンダー論に絡めた記事はなるほどと得心したぐらいだ。
そのほかで強いて言えば、アナと雪の女王のアナはアナーキー(Anarchy)のアナを示していたのかな、などと言葉遊びを考えた。
Let it Goの歌はアナーキズムの賛歌だ。
国とかは知らん。
妹?なにそれ。
人間社会、勝手にすれば。
私は山奥で自力で暮らす。
社会とか制度とか国家とかそんなものはどうでもいい、「ありのまま」への人間回帰。
ここにLet it goの翻訳がある。
「ルールもないわ、私は自由よ」
そうだよね、アナーキストだもんね。
アナーキストの姉を社会という鎖をもった妹が追いかける。
アナーキストの姉が唯一ためらったのは、制度や法律ではなく、人間を殺したくはないという「道徳感情」だったかもしれない。
そうして同じ人間という啓蒙的道徳感情がアナーキストの姉を無理やり国家に呼び戻し、
最後は社会という鎖はろくなもんじゃないということをハンス王子が見事に示すが、
社会とは権力争いなので、より強大な力をもったエルサが国家権力の要として秩序を回復する。
こうしてエルサの抑止力が国家の警察暴力として有効利用をされることで皆に秩序と絶対暴力下での平和をもたらしたのでした。ちゃんちゃん。